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知っておきたい!お線香について

知っておきたい!お線香について

お線香と聞くと どんなイメージがあるでしょうか?
懐かしい、古臭い、お寺、お葬式やお通夜などの弔事、おばあちゃんのにおい・・・。
それぞれ様々な印象のあるお線香。一口にお線香と言っても たくさんの種類や香りがあります。
お線香とお部屋香は違うものなの?今回はそんな知っているようで 知らないお線香についてひも解いていきたいと思います。

お香の歴史

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仏教とお香は切っても切れない関係にあります。それは仏教においてお香は

  1. 故人様や仏様のお食事(香食・こうじき)
    仏教には、故人様は香りを食べるという考え方があります。故人様はお線香の煙やご飯やお茶の湯気を召し上がると言われています。
  2. 故人様と心をつなげる
    お線香をあげると立ち上る煙によって、あの世とこの世がつながるともいわれています。お線香をあげることで、煙を通じて故人様と対話ができる

といった意味を持ち、紀元前5世紀後半 焼香としての「香」が盛んにすすめられ 仏教の伝播とともに中国を含め各地に伝わりました。
「日本書記」に推古3年(595年)4月、淡路島に沈水(ちんすい)が漂着した と記されておりこれが我が国における最古の
記録になります。
またこのことは聖徳太子の目に触れ、すぐにそれを「沈香木(じんこうぼく)」と見抜き、観音像を作ったと言われており、現在もこの香木は
淡路島の枯木神社にご神体として祀られています。

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豆知識

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香りは「嗅ぐ」ではなく「聞く」と言います。長い歴史のなかで磨かれてきた香道では、香りは嗅ぐのではなく、聞くもの。 じっくりと香りを味わい、その香が伝えるものを心で聞き取るということから、「香を聞く」というのだそうです。

お香の効能

お香の効能を端的に伝える「香の十徳」という詩文があります。11世紀、北栄の詩人 黄庭堅(こうていけん)(通称:黄山谷)の漢詩で
一休さんでおなじみの一休禅師によって日本に広められました。

1.

感格鬼神 感は鬼神に格(いた)り 感覚を研ぎ澄まし集中できる

2.

清淨心身 心身を清浄にし 心身を清浄にする
3. 能除汚穢 能(よ)く汚穢(おわい)を除き よく穢れや汚れを取り除く
4. 能覺睡眠 能(よ)く睡眠を覚し よく眠気を覚ます・眠りを誘う
5. 静中成友 静中に友と成り 孤独な時に安らぎをもたらす
6. 塵裏偸閑 塵裏(じんり)に閑(ひま)を偸(ぬす)む 忙しい時にも心を和ませる
7. 多而不厭 多くして厭(いと)わず 多くても邪魔にならない
8. 寡而為足 寡(すくな)くして足れりとす 少なくても十分に香る
9. 久蔵不朽 久しく蔵(たくわ)えて朽ちず 年月を経ても朽ちない
10. 常用無障 常に用いて障り無し 常に用いても害はない

お線香とお香(お部屋香)の違い

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お線香とは「お香」の一種で1番ポピュラーなスティックタイプのものを指します。
仏事の他にリラクゼーション、消臭、おもてなし、お墓参りなど様々なシーンでお使いいただけます。
仏事に関しても特別な決まりはありませんので ご自身がお好きな香り、においや煙が少ないタイプなど
お好みでお選びいただいて問題ありません。

お香のかたちの違い

  • 直接火をつけるタイプのお香

お線香・スティックタイプ

27712886_s.jpg 燃焼時間は長さに比例し、最近ではミニサイズなど短いタイプもたくさんあります。燃えている面積が均一なので香りも均一に広がります。

円錐形

25958145_s.jpg 円錐の先端に火をつけ下にいくほど燃える面積が広くなるため香りも徐々に強くなります。短時間で香りを得たい時に便利です。
また灰がそのままの形に残るので処理がしやすいです。

渦巻型

3619503_s.jpg 渦を巻いているので燃焼時間が長く 広いお部屋や蚊取り線香など空気の流れの多い場所などに適しています。途中で消したい場合は金属製のクリップなどで消したい場所を挟んでおけばOKです。
またご葬儀では亡くなった日から数えて7日間はお線香を絶やさないようにするため、1巻12時間ほど持つ交換の負担を少なくするお線香もあります。



  • 常温で香るタイプのお香

匂い袋

1456830_s.jpg 匂い香(丁子・甘松・竜脳・白檀などの香料を刻んで調合したもの)が袋に入ったもの。衣類に香りを移し、同時に忌避効果も。
タンスに入れたり 帯揚げに通す、ポケットに忍ばせる、ポーチなどにつける など様々な場面で ほのかに漂う奥ゆかしい心づかいです。

  • 間接的に熱を加えるタイプのお香

香木

kouboku.jpg 香木の焚き方は繊細な香りの味わいを鑑賞する聞香と香木を燃やすのではなく炭で温めた香炉の灰の上にのせゆったりと
香りを楽しむ空薫などがあります

練香(ねりこう)

22324240_s.jpg 粉末にした各種の香料を練り上げ 熟成させた丸薬状のお香。あたためた香炉の灰に乗せて使用します。現代では
主に茶席などで用いられます

印香(いんこう)

inkou.jpg 配合した香料を梅、花など成型型に押し固めたお香です。お菓子のような見た目でこちらもあたためた香炉の灰に乗せて使用します。

  • 専門的なお香 お寺などで使用されるお香

長寸線香

07_003a.jpg 経文を唱えたり、坐禅を組んだりする時間を線香一本が燃え尽きるまでと定め、その時間を計る為に用います。
線香の長さや太さは、読経や坐禅の時間の長短によって使い分けられます。
70センチを超える長いものは、およそ6時間燃え続けます。

塗香(ずこう)

0909a001c_1.jpg 御本尊にお供えしたり、修行者が身体に塗ったりして身を浄め、邪気を近づけないために用いる粉末のお香です。
写経を行う際にも用いられます。

抹香(まっこう)

zuko.jpg 抹香は沈香や白檀などと混ぜて用いる非常に細かい粉末のお香です。仏前でくゆらせるほか、古くは仏塔や仏像などに散布していました。
長時間たき続ける時香盤や密教用具の火舎などにも用いられます。

焼香(しょうこう)

shoukou.jpg 香木や香草などを細かく刻んで混ぜ合わせたお香です。用いる香料により五種香・七種香・十種香などがあります。
本来は沈香・白檀・丁子・鬱金・竜脳の五種の組み合わせを基本としますが、他の香料で組み合わせることもあります。

お線香のサイズの違い

お線香は同じ形でも燃焼時間、香り、煙の量など様々な物があります。近年では住宅事情や介護施設などのルール、
人やペットに害がないものなど短いお線香や煙や香りが少ないものを選ばれる場合もあります。
ここではより一般的なお線香のサイズについてみていきましょう。

ミニ寸

04_016sa.jpg 約7~9センチ 燃焼時間10~15分程度
忙しい朝や火の始末が心配な時も安心して使用する事ができます。お部屋香としても利用されます。

短寸

01_047_sa.jpg 1番一般的に使用され 長さ約13~15cm、燃焼時間25~40分程度。少煙だと20分程になる事もあります。

長尺寸(主に寺院で使用)

07_002a.jpg 約25~70cm、燃焼時間60分~7時間。法要や読経に合わせて使用されます。

渦巻き

01_010_02b.jpg 燃焼時間12時間 
ご葬儀から7日間、お線香の煙を絶やさないようにするためのお線香です。


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お線香と一口に言っても様々なカタチや種類があります。
お線香を焚くことは 仏教において供養の一つに数えられており功徳の高いこととされています。
お仏壇だけではなく おもてなしとして玄関などでひっそりと焚いてみたり お好きな香りを焚いて
気分転換をしてみたり。ぜひ生活の一部に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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